生後3ヶ月未満の乳児が発熱した場合は、すぐに(診療時間外でも)病院に連れて行きましょう。
熱がでるのは?開く
子供の発熱の大部分は、ウイルスや細菌などの病原体が体に入ってきたときに起こる体の防御反応です。まれに熱射病や熱中症、脱水症、悪性腫瘍、膠原病(こうげんびょう)などが原因となります。
熱が出た時の種類と特徴開く
風邪、上気道炎 | 熱はありますが比較的元気です。体を冷たいもの[保冷剤、氷嚢(ひょうのう)、氷枕等]で冷やしたり、水分摂取に注意します。 |
気管支炎、肺炎の場合 | 高熱の持続やひどいせき、痰のからむせきがでます。活気が低下し食欲もなくなります。 |
尿路感染症 | 高熱の持続、機嫌が悪い、哺乳不良、嘔吐(おうと)などが出ます。★ |
髄膜炎(ずいまくえん)、脳炎 | 高熱、嘔吐(おうと)、頭痛などでぐったりします。意識障害やけいれんがでることもあります。★★ |
突発性発疹 | 高熱ですが比較的元気で、食欲は保たれる場合が多いです。3日くらいで解熱した後、顔面や体幹部に発疹が出ます。 |
感染性胃腸炎 | 下痢や嘔吐(おうと)、腹痛などがあります。血便が出ることもあります。★ |
川崎病 | 高熱の持続、眼球結膜[白眼]の充血、頸部リンパ節の腫脹(しゅちょう)、発疹、手のひらの紅斑腫脹(こうはんしゅちょう)、指のむくみ、唇の発赤、イチゴ状の舌、BCG接種部位の発赤などが出現します。★ |
虫垂炎 [盲腸] | 腹痛や発熱で発症し、徐々に腹痛の悪化や嘔吐(おうと)などを認めます。★ |
はしか、水ぼうそうなどウイルス性の感染症、溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう) | それぞれの疾患に特有の発疹がでます。 |
中耳炎 | 耳の痛みや感冒症状を伴います。耳漏(じろう)[みみだれ]を伴うこともあります。 |
★★ 救急車を呼んでください。
★ 医療機関に受診可能か確認をしてから速やかに受診してください。
診療時間外の場合は、03-5272-0303(東京都医療機関案内サービス)に電話をして受診可能な医療機関をお問い合わせください。
外来受診時の説明ポイント開く
お医者さんとのコミュニケーションを大切に。お医者さんへ行く前に、以下のようなことをメモしておくと良いでしょう。なるべくこまめにメモを取っておきましょう。
他院で処方された薬を内服中であれば、お薬手帳を持参し、お医者さんに見せてください。
- いつからどんな症状がありますか?
- 食欲はありますか?
- 水分はとれていますか?
- おしっこやうんちはでていますか?
- 元気やご機嫌はどうですか?
対処のしかた開く
熱を測りましょう。
熱の出始めには、悪寒、寒がる、ふるえるなどの様子が現れます。そのときは、1枚多く着せて暖めてあげましょう。
熱が上がりきると、暑がりますので厚着を避け冷やしてあげましょう。
こまめに着替えをさせ、水分は普段より少し多めにとります。
喉越しの良いアイスクリームなどを食べさせてあげましょう。
発熱があっても元気で食欲があり、他の症状がひどくなければ慌てなくても大丈夫です。かかりつけの小児科を受診しましょう。夜間であれば体を冷たいもの[保冷剤、氷嚢(ひょうのう)、氷枕等]で冷やしながら明朝の受診でも良いかもしれません。発熱以外の症状が変化するようなら救急病院に電話をし、指示を受けてください。
生後3か月未満の児の発熱は、重篤な感染症の場合があるので、早期の受診が必要です。
予防開く
- 普段から手洗い・うがいを心がけましょう。
- 予防接種はしっかり受けておきましょう。
- 周囲の流行状況に気を配りましょう。
解熱剤開く
アセトアミノフェンなら使用しても大丈夫です。
平熱を知っておきましょう開く
子供の発熱の目安は一般的に37.5℃以上です。乳幼児の体温は高く、平熱でも37.0℃を超えることもあります。通常脇の下で測りますが、直腸では0.5~0.8℃、口の中では0.2~0.5℃脇の下より高くなります。本人の平熱より1℃以上高ければ発熱と言えるでしょう。
熱が出た、といっても機嫌がよく、食欲もあるようならそんなに慌てる必要はありません。風邪のウイルスは体温が高くなると体の中で増える勢いが弱まるとも言われています。そうなると熱を下げることが必ずしもいいこととは限りません。けれど、熱のためつらそうで眠れそうにないときには、頭に冷たいものを当てたり、処方された解熱剤(げねつざい)の使用を考えます。
ぐったりして元気がない時はすぐにお医者さんを受診します。
1歳くらいまでの子供の体温の特徴
- 低体温や高体温になりやすい
子供の体温を調節する仕組みは大人と比べまだしっかりしていません。そのため、まわりの温度の影響を受けやすくなります。 - 熱が奪われやすい
体が小さくても体重との割合では大人と比べ空気と接する面積が大きくなります。また皮下脂肪などが十分発達していないこともあり、熱が奪われやすいのです。
このため部屋の温度が暑すぎたり、寒すぎたり、また厚着、薄着でも体温が変化してしまいます。