指しゃぶり・爪かみ開く
手持ちぶさたの時に指をしゃぶったり、爪をかんだりする姿は、子供によくみられるクセですが、家族にとっては気になるものです。やめさせようとあれこれトライしても、なかなかやめられないことが多いものですが、気長につきあってください。
月齢・年齢と指しゃぶり開く
生後1か月頃から手を口に持っていったり、しゃぶったりするようになりますが、この頃は「指しゃぶりのクセ」というよりは、発達の過程でのみられる動作の一つで、特に問題はありません。
「クセ」として指しゃぶりが気になってくるのは、1歳前後から。言葉数も増え、バイバイなどの「芸」ができるようになっても、眠たい時や手持ちぶさたの時などに、指をチュッチュッと吸う子供はよくいます。多くの場合はいつの間にか直ってしまいますが、いつまでも続くと親はとても気になるものです。
また、爪をかむ子も時々いますが、指しゃぶりよりは年齢の高い子供がほとんどです。
指しゃぶりや爪かみの影響開く
指しゃぶりは、眠い時など短時間だけの場合はほとんど問題ありません。ただし、強く吸い続けているケースや、何年も続く場合には、前歯が前に出るなど、歯並びに影響することもあります。
また、爪かみは爪や指先が変形するなどの影響がみられます。
指しゃぶりをしなくなれば、歯並びは元に戻ることがほとんどですが、指しゃぶりの頻度や強さによっては、永久歯の歯並びにも影響することがあります。心配なときには、かかりつけ歯科医(小児歯科専門医)に相談しましょう。
どうしたらいいの?開く
よく、「子供に欲求不満があるから爪をかむ」とか、「指をしゃぶるのは子供の心理に問題がある」などということがありますが、指しゃぶりや爪かみの直接の原因はわかりません。でも、子供は指をしゃぶったりすることで心を落ち着かせ、安心感を得ていることは事実です。無理にやめさせることは、ある意味では「心のよりどころ」を失うことにもなりますので、細心(さいしん)の注意が必要です。
昔はこんな方法も開く
昔は、指にからしを塗って子供が吸わないようにするなど、半ば強制的にやめさせることが多かったようです。いろいろな工夫をしてやめさせるのも一つの方法ではありますが、無理やりやめさせても、別の「クセ」が始まることも少なくありません。大人になっても指をしゃぶっている人はまずいないので、そう頻繁(ひんぱん)でないのなら、大きくなって自然に治るのを待ってもよいでしょう。
子供が3~4歳になったら開く
それでも、親にしてみれば子供のクセは気になります。3~4歳になると、周りの目も気にし出しますし、大人の注意が聞けるようになってきます。その頃から、「指が痛くなっちゃうよ」などと、子供にわかる言葉で言い聞かせているうちにやめられることもあります。歯医者さんで「やめようね」と約束したら、その日からスッパリやめられた、というケースもあります。
どんな方法が合うのかは、いろいろと試してみないとわかりません。気長に見守るつもりで、イライラせずにつきあってください。
おしゃぶりは使っても良いの?開く
赤ちゃんが泣きやまない時や、指しゃぶりがやめられない時など、おしゃぶりを使うべきか悩む方は多いようです。
泣くことや指をしゃぶることで、子供は親に何らかのメッセージを送っているのです。おしゃぶりをくわえさせることで子供からのサインを見逃したり、コミュニケーションが十分でなくなることは問題です。おしゃぶりを使ってとりあえず問題が解決したとしても、子供と目を合わせて話すなど、コミュニケーションをとるように心がけてください。
【参考】
1. 指しゃぶりについての考え方 (PDF形式) 小児科と小児歯科の保健検討委員会
2. おしゃぶりについての考え方 (PDF形式) 小児科と小児歯科の保健検討委員会