ヘルパンギーナってなに?
ヘルパンギーナとは、コクサッキーウイルスA群が主な原因となるウイルス性咽頭炎(せいいんとうえん)の一種で、発熱と喉の奥に出現する水疱性(すいほうせい)の粘膜疹(ねんまくしん)が特徴です。感染してから3~6日後に症状が出ます。5月~8月にかけて多く発症し、夏風邪として代表的な病気です。
緊急度は?
緊急度は特に高くありませんが脱水症には注意が必要です。ごくまれに無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)や脳炎、急性心筋炎を合併することがありこれらを合併すると緊急性が高くなります。
かかりやすい月齢/年齢は?
1歳から5歳までの乳幼児がよくかかります。
かかりやすい季節は?
5月から8月にかけて毎年流行します。
起こりやすい場所は?
喉の奥
病気の特徴
感染してから3~6日後に症状が出ます。主な症状として、突然の高熱(38.5~40℃)が三日前後続きます。また、喉の奥に強い痛みを伴う水疱(すいほう)ができ、潰瘍(かいよう)になります。食欲不振や不機嫌になったり、よだれが多くなることもあります。
喉の痛みから水分の摂取が困難となり、脱水症になることもあります。水疱(すいほう)による痛みは5日くらいで軽くなることが多いです。
一般的な風邪の症状[頭痛、筋肉痛、下痢、嘔吐(おうと)]が見られたり、保育園や幼稚園で流行することもあります。
頻度は少ないですが、無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)や脳炎を合併すると頭痛、嘔吐(おうと)、意識障害などが出現ます。また、急性心筋炎はせき、呼吸困難、心不全症状、不整脈等の症状が出現します。無菌性髄膜炎や脳炎、急性心筋炎は入院治療が必要となります。
原因・予防法・治療法
コクサッキーウイルス A群やエンテロウイルスなどが原因。感染者のせきや鼻水等の飛沫(ひまつ)感染や便中のウイルスが経口感染する。
予防法は特にありませんが、感染者との密接な接触を避けることや流行期のうがい手洗いなどが大切です。
特別な治療法はありません。発熱や喉の痛みが辛いときは鎮痛解熱剤を使用します。食欲不振によって脱水症になれば経口補水液や点滴が必要な場合もあります。
特別な治療法はありませんが、熱や痛みで辛そうな時は鎮痛解熱剤を処方します。水分補給が充分かどうか注意して様子を見てください。頻回の嘔吐(おうと)、呼んでも返事をしない、けいれん、ひどくぐったりするなどのときは救急対応が必要です。
水分補給に、気をつけましょう
脱水症になりやすいので、水分補給に心がけてください。食事は、刺激の強いもの、固いものは喉の痛みが強くなるので避けて、柔らかい、甘い、冷たいものなど口当たりの良いものをこまめに与えるようにしてください。
注意事項
脱水症に注意しましょう。ごくまれに無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)や脳炎、急性心筋炎を合併することがあります。髄膜炎(ずいまくえん)・脳炎は、頭痛・嘔吐(おうと)・意識レベルの変化を、心筋炎は、せき・呼吸困難・心不全症状・不整脈等の症状が出ているかどうかよく観察してください。
長期間便からウイルスが排泄されるので手洗いをしっかりしてください。